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| 徳島大学シーズ<L-16>:ライフサイエンス |
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タンパク質吸着抑制に優れた双性イオン化合物の製造方法
― 水溶性抗血栓性材料 ─ 金属およびガラス基材への共有結合性を有する ―
| 安澤 幹人 |
教授 |
大学院社会産業理工学研究部 理工学域 応用化学系
物質機能化学分野 |
| 研究の概要 |
<医療機器表面のタンパク質吸着抑制作用に課題>
近年、血管内ステントや人工心臓などの医療機器には、血栓形成リスクを減少させる「タンパク質吸着抑制作用(抗血栓性)」を持つ表面コーティングが施されていますが、細い血管に留置可能な抗血栓性薄膜形成材料は依然として存在しない。
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)(図1A)の重合体が優れたタンパク質吸着抑制作用を有することが示されているが、炎症などで局所的に生じうるpH3.5以下の酸性条件での性能低下が生じる課題がある。
<技術課題:タンパク質吸着抑制に優れた化合物の提供>
本研究室では、 MPCのホスホリルコリン基において4級アンモニウムカチオン基とリン酸エステル基の位置を入れ替えた新規な構造を有するモノマーMCHP(図1B)を開発した。この構造により、得られるポリマーは、末端にリン酸基を有することからガラスや金属の表面に共有結合し、表面にタンパク質吸着抑制作用を付与することができる。また、血管内などの局所的酸性領域(炎症部位、癌発症部位など)に対する適合性に優れており、広範なpH領域で優れたタンパク質吸着抑制作用を発揮する。
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| 想定される用途と製品化?事業化イメージ |
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<炎症部位、癌細胞近傍など局所的酸性領域で用いる医療機器への適用>
本発明に用いる双性イオンモノマーの重合体は、pH3.5以下の酸性条件下においても負に帯電していることから、現行のモノマーの重合体と比較して、広いpH領域において優れた抗血栓などの生体適合性を示すことが実証された(図2)。したがって、人工血管、ステント、補助人工心臓、人工肺(ECMO)などに適用すれば、炎症部位、癌細胞近傍など生体内で局所的に酸性を示す領域でも用いることができる。
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図1 . A. 従来の抗血栓性モノマー
B. 本発明の抗血栓性モノマー |
図2. pHの違いによるタンパク質吸着性特性評価 |
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| 特許 |
● 特許第7644498号 「双性イオン化合物、その製造方法及び用途」、および関連する米国?欧州出願
● 特許第7723413号 「双性イオン化合物の製造方法」 |
| 論文 |
● Y., Zhao et al., Biocompatibility of zwitterionic polymer-modified surface under acidic condition, Modern Physics Letters. B, 37, 19, 2340033, 2023
● MCHPにつき投稿中。 |
最終更新日:2026年3月25日